幾何学

講義概要

図形や空間を考察する学問である幾何学を1年間にわたって講義する。
幾何学の源流は2千数百年前、エジプトにおける土地の測量術にあると言われている。それがターレスによってギリシャに伝わり、ピタゴラス学派により発展させられ、ユークリッドによって「ユークリッド原論」として集大成された。
その「ユークリッド原論」の中に、平行線公理と呼ばれる規約があるが、それがその後2千年間数学者を悩ませることになる。そして19世紀、ボヤイとロバチェフスキーという二人の天才によって、非ユークリッド幾何学の発見という形で解決する。以来空間は自由にとらえることができるという発想が開花し、リーマンによる多様体という概念に発展する。
本講義もその多様体に焦点を当て、前期では2次元多様体を中心に、オイラー標数を用いた閉曲面の分類を行う。後期では多様体を代数的にあつかうホモトピー群に焦点を当て、球体上の不動点定理の証明を行う。

授業内容

[ 前期 ]
1. 幾何学の源流とユークリッド原論
2. ユークリッド幾何と非ユークリッド幾何
3. 数学における一般化について
4. 連続写像と位相同型
5. 開球体とユークリッド空間
6. 多様体の定義
7. 単体的複体と組合せ多様体
8. 1次元多様体
9. 多様体の向き
10. 向き付け可能2次元多様体
11. 向き付け不可能2次元多様体
12. オイラー標数
13. 閉曲面の文字列表示
14. まとめ
15. 予備日
16. 前期試験

[ 後期 ]
1. 前期の復習
2. 同値関係
3. 群
4. 準同型定理
5. 道のホモトピー類
6. 基本群の定義
7. 基本群の位相不変性
8. 単体的複体の折れ線群
9. 折れ線群の計算
10. 曲面の折れ線群
11. 不動点定理
12. 3次元球面
13. 4次元立方体
14. まとめ
15. 予備日
16. 後期試験



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